編集者とランチミーティングをするために、目白の「ぎんきょう」というフレンチ・レストランを訪れました。 閑静な住宅地の中に突如現れる、白いお蔵のようなかまぼこ型の不思議な建物。
和風かな、と思って入ると、ドーム型の高い天井が教会のよう。窓からは深い緑の木々だけが見えて、都会にいることを忘れてしまいます。
編集者とわたしは巨木愛好家で、東京の巨木エリアを探しては出かけていきます。 この間は原宿の「レストラン・アイ」に行き、大きな窓いっぱいに枝を広げる巨木を楽しみました。
「ぎんきょう」には「巨木はないけれど、感じる」と彼女。 確かに巨木的気配があるのです。
食事のあと、目白の裏通りを散歩し、小さな古本屋を見つけました。「貝の小鳥」なんて、なんて可愛らしい名前なの!
そこで見つけた一冊の小さな本「美の世界」。
佐藤春夫の詩歌評論集なのですが、林武や川端龍子といった昭和の一流画家の絵と、古今東西の名句、そして佐藤春夫の端正な散文とがあいまった見事に美しい本でした。
もうこのような本が刊行される日は二度と来ないでしょう。
それから少し歩いて「take off」というブテッィクについふらふらと入り、サリエルパンツを購入してしまいました。
理由は素材が濃紺のギャバジンだったこと。
いまどき珍しい、きちんとした素材が新鮮でした。 風呂上りみたいな格好の若者が多いいま、目白にはギャバジンが良く似合います。
最後に志村で九十九餅を買って帰りました。
愛する求肥がとろける、昔ながらの味わい・・・。
昨今のこじゃれた「スイーツ」(この言い方だいきらい)にはない、品の良さです。
古い町はほっとしますね。 小さな旅をした気分になりました。

